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福岡ESEグルメのえしぇ蔵による、日本文学の書評ブログ・・・もどきの読書感想文ブログです。

三島由紀夫 「憂国」

三島由紀夫の命日のことを「憂国忌」と呼ぶことは皆さんご存知かと思います。あれはこの作品からとられています。三島由紀夫という偉大な人物の命日を表現するにこれ以上の言葉はあるでしょうか?実に絶妙なものがあると思います。彼の内側にあった熱い血は、かつて私たちの先祖の一人一人に流れていたものであり、私たち現代を生きる日本人のほとんどが忘れてしまったものです。その激しいエネルギーはいろんな彼の作品の中にみることができますが、一番ストレートに表現しているのがこの作品ではないでしょうか。非常にショッキングな内容です。簡単に言うと切腹の実況中継なんですが極めて詳細に描かれています。その情景を想像するとちょっとひいてしまう人もいるかも知れませんが、この作品の中の強烈なエネルギーを是非感じとって頂きたいのです。彼はこの作品で何を言いたかったのでしょうか?一軍人の強烈なまでの愛国心でしょうか?男としての潔さでしょうか?戦争が生み出した特殊な心理状況でしょうか?本当の答えは三島由紀夫とともに彼岸へと渡ってしまいましたので誰しも推測の範囲を出ないと思いますが、えしぇ蔵としてはその答えは「死の美学」ではないかと推測しています。人間がなんらかの理由により死を選ばなければならなくなり、それを従容として受け入れて潔く死に赴く姿、そこに彼は美を感じ表現しようとしたのではないでしょうか?かつて武士が自らの死でものごとに決着をつけた姿に彼は羨望があったのではないでしょうか?彼の市ヶ谷での最後のこともありますし、個人的にはどうもそのへんに答えがあるような気がします。

テーマ:感想 - ジャンル:小説・文学

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