蔵書

福岡ESEグルメのえしぇ蔵による、日本文学の書評ブログ・・・もどきの読書感想文ブログです。

水上勉 「雁の寺」

水上勉は個人的にも大好きで、よく買って読みます。本屋で見つけるとほっておけない作家です。それだけ惹かれるのには理由があります。彼の作品は文章表現の見事さで楽しませてくれる上に、ストーリーも読み手を夢中にさせるほど面白いからです。純文学的な表現で、大衆文学的物語を読ませてくれます。そういった両方の魅力を兼ね備えた作家には他にも松本清張や横光利一などがいますが、やはりみんな個人的にお気に入りの作家です。結局えしぇ蔵の目標とする作品のスタイルもそのへんにあるのかなと思ったりしてます。この「雁の寺」は水上勉の魅力を堪能するには最もお勧めの作品です。修行中のある小僧が、お寺で起こった事件に巻き込まれる話ですが、後半の展開が非常に面白くて夢中で読みました。水上勉自身、お寺で修行したこともあり、その時の経験が作品の中に生かされています。しっとりした純文学かなと思わせておいて、最後はハラハラドキドキのサスペンスです。読後の満足感は申し分ありませんでした。全部読んだ直後にもう一度最初から読もうかなと思ったほどです。この作品は昭和36年に第45回直木賞を受賞しました。この作品の成功によって水上勉は大きく飛躍していきます。推理小説として読んでも十分に面白い作品ですが、後に彼は推理小説も残しており、「海の牙」という作品では日本探偵作家クラブ賞も受賞しています。総じて面白さを追求することもできる作家ですので、1冊読めばはまっていく人は多いと思います。ちなみにこの作品には続編がありまして、「雁の村」「雁の森」「雁の死」と続きます。「雁の寺」を読めばきっと全部読むことになるでしょう。

テーマ:感想 - ジャンル:小説・文学

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