蔵書

福岡ESEグルメのえしぇ蔵による、日本文学の書評ブログ・・・もどきの読書感想文ブログです。

国木田独歩 「忘れえぬ人々」

えしぇ蔵は大学生の頃とにかく時間を持て余していたので、その有効活用のために何かチャレンジしようと思いたち、有名な日本の文学作品を片っ端から読んでやろうと決めて本屋に通いつめていた時期がありました。その時に初めて国木田独歩の作品に出会いました。そして大学を卒業して就職試験の面接などで好きな作家を聞かれた時には国木田独歩と答えていました。その後、好きな作家は年齢とともに変遷を重ねていきますが、若い頃の自分にとって国木田独歩は衝撃的な存在でした。特に「武蔵野」、「酒中日記」、「忘れえぬ人々」によってそれは与えられました。皆さんにとって忘れえぬ人とはどういう人ですか?大好きだった人?お世話になった恩人?ずっと一緒にいた人?普通はそういう人を連想すると思います。でも実際はどうでしょう?本当に忘れられない人というのは、ほんのちょっとすれ違っただけとか、一度挨拶を交わしただけとか、意外とそういうほんのわずかの瞬間だけ自分の人生をかすめていった人かもしれません。この作品はそういう人間の脳の隅にこびりついた不思議な印象をテーマにした作品です。この着眼点に人をうならせるものがあると思いませんか?そして作品全体に漂う雰囲気が、読後の印象をまた不思議なものにします。人間の心理の巧みな隙をついてくるせいか、読み終わって数日たってもまだ作品世界が心の中に残ったままでなかなか消えません。若かかりし頃のえしぇ蔵には大きな衝撃であり、いい小説、いい短編の一つの形を提示してくれた作品です。さて、皆さんにはどんな影響を残すでしょうか?

テーマ:感想 - ジャンル:小説・文学

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