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福岡ESEグルメのえしぇ蔵による、日本文学の書評ブログ・・・もどきの読書感想文ブログです。

夏目漱石 「我輩は猫である」

言わずと知れた日本の近代文学の最大の貢献者夏目漱石のデビュー作であり代表作です。夏目漱石が文学の世界に入ったきっかけは小説ではなく俳句でした。大学時代に出会った正岡子規の影響で俳句を始めます。しかし文学を本業とするのはかなり後のことで、教職についたり留学したりして人生経験を積みます。夏目漱石の人生を研究するにおいて必ず大きなポイントとなることは、彼が若い頃から神経衰弱気味であったことです。肉親との死別や自らの病気(肺結核)の経験、失恋などが原因であると言われていますが、かなり重症だったようです。そんな彼を見かねた友人の高浜虚子が「ホトトギス」に小説を発表してみないかと勧めます。そうして書かれたのがこの名作というわけです。当初は一回読みきりということでしたが、非常に好評だったので続編が書かれていき、結構なボリュームの長編となりました。この経験が彼を文学の道に歩ませることになり、新たな人生を発見させることになります。いわば高浜虚子は一人の天才を世に送り出した大変な貢献者ということになります。この作品はなんといっても読む人を選ばないユーモアによって孤高の存在となり得ました。江戸時代にもユーモラスな文学はありましたが、明治以降においてここまで本格的にユーモアを支柱にした文学はこれが最初ではないでしょうか?猫の目から冷静に観察した人間の滑稽な社会を皮肉を交えて描くというアイディアは当時としてはとても斬新で、世代はおろか時代までも超越して人を楽しませるものとして名作の名を恣にしています。文体こそ明治の香りが残っており多少読みにくい箇所はあるでしょうが、なにしろ笑えますのであまり気にはならないでしょう。ゆっくり時間をかけて楽しんで下さい。なにせ日本文学史の輝ける金字塔ですから。

テーマ:感想 - ジャンル:小説・文学

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