蔵書

福岡ESEグルメのえしぇ蔵による、日本文学の書評ブログ・・・もどきの読書感想文ブログです。

正宗白鳥 「微光」

正宗白鳥をご存知でしたか?特に文学好きの人でなければおそらくあまりご存知ないでしょう。なぜなら新刊本を売っている本屋さんに行って、正宗白鳥の作品を見つけることは今やかなり難しいというのが現実ですから。古本屋で探してやっと見つかるという感じです。でもそれは極めて悲しいことなのです。なぜならこの人は日本の文学史を語る上で必ず名前が上がる人だからです。どのへんで上がるかというと、明治時代後半の自然主義全盛時代です。明治37年に「寂漠」で文壇デビューした正宗白鳥は「自然主義文学の新星」と言われました。早くから「自然主義文学」といえば正宗白鳥というイメージがあり、文壇の第一線で活躍していました。その地位を確かなものにしたのがこの「微光」です。つまりは日本の「自然主義文学」という看板を背負って、長いことその発展に寄与し、足跡を残しているわけです。そんなすごい人が現在あまり知られていないというのはえしぇ蔵から言わせると遺憾極まりないことであります。ここでもまた日本人は自らの誇るべき文化の一端を忘れてしまおうとしているわけです。この作品はまさに「自然主義文学」がどういうものであるかというお手本となる作品です。極めて高度に自然主義です。ではその「自然主義文学」とは一体なんでしょうか?簡単に言うとものごとを修飾なくありのままに描こうというものです。人間そのものも自然の一部とみなし、その実態を飾ることなく表現していこうとするわけですから、あまりに赤裸々な表現に当時は賛否両論で、その是非は大きなテーマでした。今では小説の書き方の一つとして特に騒がれるほどのものではありませんが、当時としてはセンセーショナルだったわけです。「自然主義文学」の正宗白鳥をこの作品を読んで是非知って頂きたいと思います。

テーマ:感想 - ジャンル:小説・文学

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