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福岡ESEグルメのえしぇ蔵による、日本文学の書評ブログ・・・もどきの読書感想文ブログです。

佐藤春夫 「田園の憂鬱」

佐藤春夫は昭和39年に他界していますが、もし存命中に知り合うことができたなら弟子入りできないにしろ、なにがしかの教えを請いたい作家の一人です。この人の作品を読めば、その奥の深さや芸術性は並外れた才能のもたらすものだと誰しも思うことでしょう。実際に多くの作家たちの憧れの存在だったようで、彼のことを表現する際に必ず用いられる言葉に「門弟三千人」というのがあります。もちろん誇張はあるでしょうが、それほど多くの人に師として仰がれたということです。有名どころでも井伏鱒二を筆頭に、三島由紀夫、太宰治、壇一雄、遠藤周作、柴田錬三郎、吉行淳之介、中村真一郎、五味康祐・・・などなど、錚々たるものです。すごい人たちから尊敬されたわけですからその存在の大きさが推測できますよね。そんな彼のすごさを象徴する作品がこの「田園の憂鬱」です。この幻想的な詩のような美しい小説は、物書きを自負する人々にとっては憧れであり、手本であり、脅威であり、目標であります。まさにこの作品は読む絵画であり、読む交響曲です。ストーリーを簡単に紹介すると、もう都会はいやだと恋人と二人で田舎に引っ込んで、そこで何をするでもなく過ごす主人公が幻想と現実を行ったり来たりする摩訶不思議な物語です。もしこんな人間が目の前にいたら許せないものがあるでしょうけどまぁ小説の中だからいいでしょう。この作品は「だから結局何がいいたいと?」と聞きたくなるものなんですが、「別に明確な結論なんていらないのでは?」という作品ですからこれはこれでいいわけです。まさに浪漫派を代表する作品です。逆にこういう摩訶不思議な世界は今の若い人にはうけるかもしれませんね。偉大なる作家の偉大なる作品。読まずに人生終わるのは惜しいことだと思いますよ。

テーマ:感想 - ジャンル:小説・文学

コメント

はじめまして

 はじめまして。
 なかなかの「日本文学史大好きの方」とお見受け致しました。
 ブックマークさせていただきました。(「メジャーマイナー」の方のブログです。)
 よろしくお願い致します。

Re: はじめまして

コメントありがとうございます。
こうやって細々と日本文学の再興のために頑張っております。
こちらこそ今後ともどうぞよろしくお願い致します。

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