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福岡ESEグルメのえしぇ蔵による、日本文学の書評ブログ・・・もどきの読書感想文ブログです。

吉村昭 「大本営が震えた日」

学校で学ぶ歴史というのは、時間的な制限などもあって表面的なものだけに限定されがちです。例えば太平洋戦争が始まった時のことをどう解釈していますか?日本がハワイの真珠湾を攻撃したことによってその幕が切って落とされたというのが学校で教える歴史です。確かに大局的に見ればそうかもしれませんが、実はそこに至る経過は複雑なものですし、その前後に表舞台とは違うところでは様々な事件が発生していました。そういった”学校で教わらない部分”には実は歴史を理解する上で非常に大事なポイントが隠されていたりするものです。太平洋戦争が始まる一週間前の昭和16年12月1日に、開戦の極秘命令書を乗せたDC3型機がなんと敵の領内に不時着します。もしそこで敵に命令書が渡ればどうなるか?この事実を知った大本営はまさに震えるわけです。さぁ大変です。命令書はどうなったのでしょうか?運んでいた軍人は生きているのでしょうか?極秘の捜索、救出作戦が始まります。開戦のことが敵にばれたのか?ばれていないのか?読んでるこちらまで緊張してはらはらします。次の展開が待ち遠しくなります。この作品にはこの事件の他にも開戦前後にいろんな場所で繰り広げられた緊張のドラマを詳細に調査して紹介しています。あのハワイへの奇襲作戦の裏にこんないろんな事件があったのかと本当に驚かされます。歴史というのはどうしても読んで面白いのは波瀾の時期ですが、当時生きていた人たちにとっては悲劇です。こういったドキュメンタリー文学は読む人の興味をそそるだけでなく、当時の人の悲しみも同時に感じて、そこから”何か”を学んで欲しいというメッセージも含んでいます。この作品を通して皆さんも是非その感性で”何か”を学んで下さい。

テーマ:感想 - ジャンル:小説・文学

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