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福岡ESEグルメのえしぇ蔵による、日本文学の書評ブログ・・・もどきの読書感想文ブログです。

陳舜臣 「小説十八史略」

中国を舞台にした歴史小説がとりあげる時代とくれば皆さんはどの時代を連想されますか?えしぇ蔵的にはまず三国志で描かれる後漢から魏蜀呉の三国時代ですね。次は秦の滅亡後、項羽と劉邦の対決を経て漢が建国される頃でしょうか。その次は春秋戦国時代かな。でも考えてみるとこうやって一つのポイントで中国の歴史に触れることはあっても、あの長い歴史全体の流れを知る機会はなかなかありませんね。小説で取り上げられる時代の前はどうだったのか?あるいは小説が終わった後の時代はどうなっていったのか?秦の始皇帝からフビライ・ハンまでどうやってつながっていくのか?そういった疑問を全て説明してくれるのがこの作品です。宋の時代の曾先之という人によって書かれた壮大な中国の歴史の物語「十八史略」をもとにして、陳舜臣がわかりやすく解説を交えながら小説にしたものです。小説とはいいますが、架空の人物は一切登場せず、ほぼ史実そのままを書き綴っていますので、中国の歴史の大筋を学ぶにはうってつけです。最初は神話の時代をさらっと流して、本編は殷の紂王から始まります。そして様々な王朝の栄枯盛衰を経て、最後は宋の滅亡で終わります。なにせ書かれたのが宋の時代なのでその先はありません。中国の歴史全体を学びたいという方には同じ陳舜臣による「中国の歴史」がお勧めです。ただ、面白さという意味ではこちらの方がいいかなと思います。次々に登場する英雄たち。皇帝の座を、中国の統一を、栄耀栄華を夢みて縦横無尽に活躍し、名を残し、死んでいきます。国の歴史は人間の歴史です。命がつながって時代が作られるということをしみじみ学びました。長い長い物語ですがどの時代も面白く飽きさせません。興味ある方は是非ゆっくり時間をかけて読んでみて下さい。

テーマ:感想 - ジャンル:小説・文学

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