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福岡ESEグルメのえしぇ蔵による、日本文学の書評ブログ・・・もどきの読書感想文ブログです。

種田山頭火 「草木塔」

俳句はきまりごとが多く、いざ作るとなるとなかなか難しいものがあります。その窮屈さを若干取り除いて作りやすくしたのが川柳だとすれば、すべての枠を取り外して完全に自由な状態になったのが自由律俳句です。思ったように好きなように作っていいわけですからこれなら楽だと思われがちですが、いえいえ逆にそのほうが難しいものです。あらゆる枠を超えて作るからには中途半端なものでは全然ものにならないわけです。ですから自由律の俳人というのは創作能力がかなり優れている人でないと、その”自由さ”の良さを生かすことはできないのです。では誰がその筆頭かといいますと、尾崎方哉と種田山頭火です。どちらも荻原井泉水という俳人の弟子です。この二人の存在によって、自由律俳句はその存在をしっかりと日本文学の中において確立されます。ですから種田山頭火は俳句の世界における偉人なんですが、その生涯は非常に悲惨なものでした。まず子どもの頃にお母さんが自殺。山口の中学を出て誉れ高き早稲田大学文学部に入ったのに神経衰弱で中退。故郷に帰って家業の酒屋をついで家庭を設けてしばし幸せな時期がありますが、その後家業は破産、そして離婚、弟とお父さんは自殺。上京したら関東大震災。ついに自殺しようとして報恩禅寺の和尚さんに助けられて出家。そして死ぬまでの約15年間、放浪しながら俳句を作り続けます。こういう破滅的な人生を経験したことが彼の作品に大きく影響していることは間違いありません。自然でかつ心の奥底に残る俳句はまさに苦しみ続けた彼の魂の叫びだったのかもしれません。

テーマ:感想 - ジャンル:小説・文学

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