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福岡ESEグルメのえしぇ蔵による、日本文学の書評ブログ・・・もどきの読書感想文ブログです。

小川未明 「赤いろうそくと人魚」

小川未明とくれば童話ですね。非常に多くの童話を残しています。まさに日本児童文学の父であり、日本のアンデルセンと呼ばれるにふさわしい人です。師匠は坪内逍遥なんですが、彼が大正15年に今後は童話しか書かないと宣言した理由は師匠に小説家としての才能の限界を指摘されたからという説があります。本人聞いた時はがっくりしたことでしょうが、彼が児童文学で大きな足跡を残したことを思えば師匠の指摘はいい結果を生んだというべきでしょうね。彼はまさにその生涯を童話に捧げます。ただ、その作品の特徴としては多くの子どもに読んでもらうために書いたにしてはちょっとシュールな部分もあり、幻想的な部分もあり、ストーリーよりも芸術性を追っている部分もあり、全体的に大人が読んだほうが楽しめるのではないだろうか?という印象を受けます。実際、えしぇ蔵が読んだ時には、童話というより文章の芸術だなと思いました。一般的な童話というのは子どもに夢を与えると同時に、どこか教訓めいたものが含まれており、子どもの教育に役立たせるための要素があるものですが、小川未明の童話は皮肉な結果に終わったり、ものごとをシュールにとらえる面があったりして、おそらく子どもには訳が分からないのではないかと思える作品もあります。そういう意味で是非大人の人に読んで欲しいと個人的には思います。この作品は人魚が人間の暮らしにあこがれて、あるろうそく売りの老夫婦のもとで暮らす話ですが、この老夫婦は金に目がくらんで、かわいがっていた人魚を売るんですよ。ね?シュールでしょ?さぁ売られた人魚はどうなるのでしょう?芸術的でおもしろい童話を是非お楽しみ下さい。

テーマ:感想 - ジャンル:小説・文学

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