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福岡ESEグルメのえしぇ蔵による、日本文学の書評ブログ・・・もどきの読書感想文ブログです。

石川達三 「幸福の限界」

今の世の中では男女差別というのはあまり感じることはなくなってきたのではないでしょうか?あらゆる業界で女性の進出が目立っていますし、いろんなお店のサービスにおいては女性優遇が頻繁に行われています。きっと今の時代なら女性も女性に生まれてよかったと思うことでしょう。ところがほんの50年前くらいまでは女性にとっては非常につらい時代だったのです。女性は家庭を守るもの、男性につくすもの、好き勝手にふるまわないものときめつけられていたのです。また多くの女性がそうであるべきと自ら思っていたのも事実です。そんな風潮に多くの女性が疑問を抱き始めるのが太平洋戦争敗戦後の人心荒涼とした頃です。この小説の始まりもその頃です。ある平凡な家庭におこる一つのドラマは、「家庭における女性の立場」に疑問を投げかけます。長女は嫁いだ先で女中のようにこき使われたあげく、出征した旦那が帰らずに出戻りします。次女は家同士が決める日本的な結婚に反発します。妻は典型的な古い日本人である旦那の強引さに徐々に嫌気がさしてきます。家庭の中の女性たちはそれぞれに苦しみ、それぞれに幸福への道を探ります。この時代ならではのドラマですね。今ならさっさと別れて決着をつけてしまうんでしょうけどね。この時代の女性が苦しみ、悩み、そこから生まれた反発によって立ち上がり、戦った結果が今の女性の地位向上につながっていると言えます。戦中戦後を生き抜いた女性たちに今の日本人は感謝すべきですね。

テーマ:感想 - ジャンル:小説・文学

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