蔵書

福岡ESEグルメのえしぇ蔵による、日本文学の書評ブログ・・・もどきの読書感想文ブログです。

丹羽文雄 「青麦」

えしぇ蔵は自分でも小説を書きますが、自分の文章は誰の影響を受けているのかなと考えたことがあります。意識しているわけではないのですが、どうも丹羽文雄の文章に似ているような気がします。この青麦を読んでいる時もそう感じました。無意識のうちに影響を受けているのでしょうね。この明快で読みやすい文章は、確かに自分の目指すところです。難しい語句を使わず、短い文章で淡々と表現して、読む人を混乱させない書き方は大いに学ぶべきものがあります。この作品は丹羽文雄が自分の家をモデルにしたというふうに言われています。丹羽文雄の実家はお寺でした。お寺の跡継ぎになるのがいやで飛び出して作家になるわけですが、この作品の主人公も住職である父親の人間性に反感を持ち、寺を出奔します。丹羽文雄の父親は婿養子に入ったんですが、なんと自分の妻の母親と関係を持ってしまい、妻は幼い丹羽文雄を置いて家を出て行ってしまいます。そういう修羅場を見たことが人間の業を描くこの作品につながっているのではないかと思います。ですからテーマとしてはかなり深いところをついてます。作品では住職が次々に女性を手篭めにしますが、人間は出家も在家も結局はいろんな悩み、苦しみ、欲望に翻弄されて、死ぬ瞬間まで何も悟ることはできないわけで、それこそが悲しい人間という存在であると教えてくれる作品です。文章だけでなく、こういう深いテーマに取り組む意気込みも参考にしたいところです。

テーマ:感想 - ジャンル:小説・文学

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

 | HOME | 

FC2Ad

カテゴリー

最近の記事

ブログ内検索

リンク

このブログをリンクに追加する

プロフィール

esezo

Author:esezo
FC2ブログへようこそ!

QRコード

QRコード

RSSフィード