蔵書

福岡ESEグルメのえしぇ蔵による、日本文学の書評ブログ・・・もどきの読書感想文ブログです。

近松秋江 「別れた妻に送る手紙」

近松秋江という名前を聞いて、「あぁ、近松秋江ね」とすぐわかる人が自分の近くにいたとしたら是非親しくなって、お互いの文学への思いを交換したいと思います。なぜなら非常に優れた作家なのに現代においては悲しいくらい知られていないからです。それもそのはず、普通の本屋さんには1冊も並んでいませんからね。読もうと思えば古本屋を何軒も探すか、全集を買うしか方法はないでしょう。えしぇ蔵も彼の作品は古本屋で探します。なんとも悲しい現実です。どれか一つでも作品を読んでもらえば、その高い水準に達した文章に感嘆できるのにと思います。学習と経験を積んだ上での文章というのは自ずからどこか違ってきます。それに彼の場合は文章自体も読みやすく、興味深いストーリー性もからんで読者をひきつける力があります。この作品はタイトルどおり、逃げられた奥さんへの未練たらたらの手紙という形をとっています。主人公は生活力がなくて見限られるわけですが、なじみの芸者に慰めを見出しつつも奥さんへの想いを断ち切れず煩悶の日を送ります。そのやるせない心情の表現の仕方が素晴らしいわけです。体験に基づいているからでしょうけど非常にリアルで、かつ情緒的で感嘆してしまいます。彼はこういった、いわゆる”情痴文学”で名を馳せました。彼の作品は忘却の波にうもれるべきものでは決してなく、再び世の注目を集めるべきであり、長く読み継がれるべきものであると思います。皆さんも是非一読を。

テーマ:感想 - ジャンル:小説・文学

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