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福岡ESEグルメのえしぇ蔵による、日本文学の書評ブログ・・・もどきの読書感想文ブログです。

江戸川乱歩 「二銭銅貨」

推理小説が好きな人なら敬意を抱かずにはいられないのが江戸川乱歩です。日本の推理小説の黎明期を支えた人です。本格もの、通俗もの、どちらも多くの傑作を残しています。海外の名作推理小説も多く日本に紹介していますし、推理小説に関する評論も数多く残しています。ただ推理小説を書きたくて書いたというだけの人ではなく、日本に推理小説を根付かせるためにその生涯を捧げたと言ってもいいほどの熱心な活動をした人です。そのおかげで今や日本において推理小説という分野は文学において欠かせない一ジャンルとなりました。彼の影響を受けて多くの推理小説作家も登場しました。まさにその貢献度は計り知れません。そういった背景を理解した上でこの作品を読んで頂けると非常に興味深いものがあると思います。なぜならこの作品は彼のデビュー作だからです。江戸川乱歩は大正12年に「新青年」にこの作品を発表してデビューします。読んで頂ければわかりますが、駆け出しの頃にすでにこのクオリティですから驚きます。まだ日本では推理小説草創期に登場したこの傑作は、暗号解読をテーマにしています。これが実に面白いです。ある会社から大金が盗まれて、犯人は逮捕されますが肝心のお金の行方がわからない。犯人も白状しないし、どこを探しても見つからない。このことを新聞で読んだ青年二人がなんとかその在り処を探ろうと知恵を絞ります。そこで問題になるのが「南無阿弥・・・」とへんてこりんな呪文みたいなものが書かれた紙片です。これは暗号化された通信文ではないかということで解読を試みるわけです。これがなかなかに手が込んだからくりで、読み手を夢中にします。基本的にはシャーロック・ホームズが登場するコナン・ドイルの「踊る人形」やエドガー・アラン・ポーの「黄金虫」と似たタイプの暗号です。果たして彼らは解読できるのか?最後にはどんでん返しも待っています。本当に楽しませてくれる作品です。偉大なる大御所のデビュー作を是非ご堪能下さい。

テーマ:感想 - ジャンル:小説・文学

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