蔵書

福岡ESEグルメのえしぇ蔵による、日本文学の書評ブログ・・・もどきの読書感想文ブログです。

丹羽文雄 「日々の背信」

えしぇ蔵がこの「蔵書」を続けている理由は、一人でも多くの人にかつての日本文学の素晴しさを知って頂いて、それらを評価しなおし、自分たちの時代でその存在をなくすことなく次の世代へと残すことができればと思ってのことです。従って自分なりに次世代の糧となるであろう作家を紹介してきました。実際、昭和中期くらいまでは日本文学の全体のレベルが高いので一度は名を馳せた作家のほとんどがその対象となります。ですからいろんなタイプの作家を読んで紹介してきました。文学として評価すべきなら、自分に合う合わないは考慮の外でした。ではこの「蔵書」の目的を除くとすればどうなるでしょう?そこにはやはり個人的な好みというものがあります。正直、本音をぶちまけるとすれば、丹羽文雄は横光利一と並んで個人的に大好きです。私小説的なものも風俗小説的なものもどこか読んでいてしっくりきます。明解な文章で読みやすいというのもあるかと思います。この作品もじっくり楽しみながら読みました。ドラマ性が豊かなのできっとテレビや映画になっているだろうと思って調べてみたらやはりそうでした。雰囲気的にちょっと松本清張の愛憎劇に似た感じがします。主人公は裕福な事業家の愛人です。いわゆる妾状態。肩身の狭い思いをしながら生きています。そこに素敵な紳士が登場しますが彼には病気で寝たきりの妻がいます。お互い好きなのに一緒になれない。もどかしい状況が続くうちに事業家にそのことがばれて、嫌がらせが始まって余計にことは複雑になっていきます。二人は結ばれるのでしょうか?それともそのままなのでしょうか?あるいは全く別の展開があるのでしょうか?この作品ほど最後の最後までヤキモキさせられたことはありません。さて最後に二人はどうなるのでしょうか?読みやすくて面白くて文学的。個人的にもお勧めです。

テーマ:感想 - ジャンル:小説・文学

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