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福岡ESEグルメのえしぇ蔵による、日本文学の書評ブログ・・・もどきの読書感想文ブログです。

松本清張 「わるいやつら」

松本清張という作家の特徴の一つはその守備範囲の広さです。文学、推理・サスペンス、歴史・・・複数のジャンルにおいて傑作を残しています。その中でも作品の量において群を抜いているのは推理・サスペンスものです。「推理小説」という言葉は松本清張の作品から初めて使われるようになったということをご存知でしょうか?ちなみにそれ以前は「探偵小説」と表現していました。彼の推理小説の特徴は、犯人やそのトリックを暴くことのみに力点が置かれている通常の推理小説とは違い、犯人がその犯行に至った動機にもより筆を費やしていることです。警察・探偵=善、犯人=悪 という明確な線引きは行わず、犯人も好きでそういうことをしたのではない、そうなるに至ったやむを得ない事情があったんだという視点で描いています。本当に悪いのはそういう状況に追い込んだ社会環境ではないのか?という基本理念が底にあります。そういったことから「社会派推理小説」とも呼ばれます。彼の推理小説における大作はそういう体質ものが多いです。ではここで紹介する「わるいやつら」はどうなのか?この作品では一転して、一片の同情も必要ないほどに犯人が悪に徹しています。タイトルの「わるいやつら」というのが内容を実に的確に表しています。ある病院の院長が主人公なんですが、この男には良心のかけらもなく、やりたい放題に生きてついには犯罪を犯します。彼に苦しめられた人々の怒りは爆発し、彼への復讐が始まります・・・結構長い作品なんですがそれにも関らず構成が完璧ですしハラハラさせるストーリー展開なので長さを感じさせません。とにかく面白いの一言につきます。夢中になること請け合いですからお時間ある時に一気にどうぞ。

テーマ:感想 - ジャンル:小説・文学

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