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福岡ESEグルメのえしぇ蔵による、日本文学の書評ブログ・・・もどきの読書感想文ブログです。

菊池寛 「真珠夫人」

菊池寛の作品といえば、「屋上の狂人」、「父帰る」、「恩讐の彼方に」、「藤十郎の恋」などの名作をすぐに思い浮かべることができます。どれも評価の高い文学小説であることは言うまでもありません。ところが面白いことに、菊池寛という作家はそれらの名作とは全く性格を異にする作品も一方では書いています。それがこの「真珠夫人」です。これは「芸術」とは言い難く、全くもって「エンターテイメント」です。きっと作者を知らないで読んだらおそらく今時の売れっ子脚本家が書いたドラマじゃないかな?と思うことでしょう。とても菊池寛という名前は浮かんでこないと思います。それほど意外な作品です。だからといって評価しないという意味ではありません。非常にテンポよく進んで、驚くような展開を次々に繰り出し、読み手を全く飽きさせません。まさに”面白い”作品です。内容は、清純で芯の強い女性が、ある理由があって男性の心を弄ぶ妖女へと変身していきます。一体彼女の目的は何なのか?えしぇ蔵思うにこれは女性版の「金色夜叉」ですね。その意味は読んで頂ければわかります。冒頭で紹介した作品群とは一線を画しているせいか、絶版の状態が続いて、長いこと世間から忘れられた存在でしたが、2002年にテレビドラマ化されたことをきっかけにまた本屋に並ぶようになりました。エンターテイメント性の高い作品を読む際に、「そんなことがあるわけない」とか、「現実離れしている」などの意見はタブーです。ありそうもないことを物語の中で体験できるのがエンターテイメントですから、ここは一切の理屈や常識は抜きにして、頭をからっぽにして楽しみながら読むことをお勧めします。何か面白くて夢中になれる小説を読みたいと思う方は是非どうぞ。何も手につかなくなるくらいですからお時間のある時に読んで下さい。

テーマ:感想 - ジャンル:小説・文学

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