蔵書

福岡ESEグルメのえしぇ蔵による、日本文学の書評ブログ・・・もどきの読書感想文ブログです。

丸谷才一 「笹まくら」

えしぇ蔵の好みでそうなっているのかも知れませんが、どうしても優れた文学作品を紹介しようと思うと時代を遡ってしまいます。ですが明治から昭和中期までに優れた作家が集中しているのは誰も否めない事実だと思います。そういうわけで現在このブログで紹介している作家のほとんどは彼岸に旅立っているという悲しい現実があります。存命の作家が何人いるでしょうか?大江健三郎、阿川弘之、石原慎太郎、五木寛之、宮尾登美子など、本当にわずかになってしまいました(平成24年1月現在)。ここで紹介する「笹まくら」の作者、丸谷才一もその一人です。この人も今や貴重な存在なわけですが、その凄さを知るには経歴をちらっと覗くだけで十分です。その受賞暦の華々しさ!芥川賞に始まって、野間文芸賞、谷崎潤一郎賞、読売文学賞、川端康成賞、菊池寛賞、泉鏡花賞、大仏次郎賞・・・などなど。そしてついに2011年には文化勲章です。主な賞は総なめ状態です。そんなすごい人がその名を広く世間に知らしめた作品がこの「笹まくら」ですので、読んで唸らないわけがありません。本当に恐ろしいくらいの大傑作です。えしぇ蔵は個人的にはこの作品に出会えたことを幸せに思っています。あきらかにこれを読む前と後で自分の文学に対する考え方がかなり進歩したように思います。一般にもこの作品は非常に評価が高く、丸谷才一の最高傑作と言ってもいいのではないかと思います。物語は太平洋戦争の頃に徴兵忌避をした主人公が戦後もその過去に苦しめられ、自分の生きる道を必死に模索する姿を描いてます。物語の展開の仕方が非常にユニークで、現在と過去が何度も行ったり来たりします。それも継ぎ目が極めて自然にかつ美しく、いつのまにか場所や時代が変わっています。群を抜く技量を見せつけられる感じがします。ただしそれだけにうっかりすると訳がわからなくなるので気合を入れてしっかり読んで下さい。ここまでの傑作というのは少ないと思いますので是非是非ご一読を。

テーマ:感想 - ジャンル:小説・文学

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