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福岡ESEグルメのえしぇ蔵による、日本文学の書評ブログ・・・もどきの読書感想文ブログです。

直木三十五 「南国太平記」

まずは直木三十五という人をご存知でしょうか?日本文学史に欠かせない偉大なる作家なんですが、さて、今から本屋さんに行ってこの人の本を探してみましょう。ありますかね?ありませんね。よほど品揃えのいい大きな本屋さんに行くか、古書を扱う昔ながらの古本屋さんに行くか、あるいは通販で全集を買うか、ヤフオクで出品を待つか、そういった手段でないとなかなか手に入らないという現実があるわけです。これが常にえしぇ蔵が嘆く日本の悲しいところです。偉大なる作家の素晴しい作品をどんどん廃版にして後世の人に伝えようとしないのです。先人の残してくれた遺産は大事にしたいものですよね。直木三十五はあの直木賞の由来となった作家です。この人の作品は面白く読める大衆小説が中心だったので、直木賞はそういった作品が対象となっています。とにかく読み手が夢中になって、本に釘付けになるような娯楽性の高い作品を残していますが、中でも一番のお勧めはこの「南国太平記」です。これは直木三十五、一代の傑作といわれる壮大な歴史エンターテイメントです。時代は幕末、薩摩の島津家で起こった”お由羅騒動”を題材にしています。斉興派と斉彬派に分かれた島津家の家臣たちの勢力争いは、日本中の人望を集める斉彬の広い心によってその方向を変えていきます。薩摩隼人らの燃えたぎる情熱は、やがて日本を変える情熱へと昇華し、物語が終わった後に起こる倒幕運動の幕開けを予告して終わります。それはそれは素晴らしい傑作です。長いですがそれを感じさせない面白さとスピード感があります。出てくる登場人物は完全に悪役にまわっている人はいなくて、いづれもこれでいいのかと迷いつつ行動している部分にどこかしら直木三十五の優しさを感じるような気がします。直木賞に名を残す人がどんなものを書いていたのか、やはり知っておきたいところです。面白さは絶対の保証付。是非、頑張って探して、読んでみて下さい。よかったら続編の「益満休之助」もどうぞ。

テーマ:感想 - ジャンル:小説・文学

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