蔵書

福岡ESEグルメのえしぇ蔵による、日本文学の書評ブログ・・・もどきの読書感想文ブログです。

中原中也 「山羊の歌」

汚れつちまつた悲しみに
今日も小雪の降りかかる
汚れつちまつた悲しみに
今日も風さへ吹きすぎる

汚れつちまつた悲しみは
たとへば狐の皮裘(かはごろも)
汚れつちまつた悲しみは
小雪のかかつてちぢこまる

汚れつちまつた悲しみは
なにのぞむなくねがふなく
汚れつちまつた悲しみは
倦怠のうちに死を夢む

汚れつちまつた悲しみに
いたいたしくも怖気づき
汚れつちまつた悲しみに
なすところなく日は暮れる・・・・・


この有名な詩はご存知でしょう。これを読んで貰うだけで余計な説明はいらないかもしれません。中原中也の繊細な感性と、激しい内面の煩悶と、洗練されたテクニックをこの1編だけで知ることができます。詩というものがこの世に存在したおかげで、彼は自分の内面から出てくる叫びを表現することができたと言えるのではないでしょうか?思えば自分の内面にある本当の思いを死ぬまでに外部に向って表現できる人がいったいどれくらいいるでしょうか?恐らくほとんどの人はそれらを胸に抱いたまま墓場まで持って行くのではないでしょうか?彼は見事にそれを成し遂げた人ではないかと思います。それだけにまるで自分の代弁をしてくれたかのごとく、多くの人が彼に共感を覚えるのではないでしょうか?若くして死ぬのであまりたくさん作品はありませんが、ここで紹介した詩を含め、彼の魂の声を集めた詩集「山羊の歌」は本棚に1冊は持っておきたいところです。ちなみにあのランボオの詩集を翻訳して紹介したのも彼です。いい詩を日本に伝えようとした姿勢も評価すべきですね。

テーマ:感想 - ジャンル:小説・文学

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