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福岡ESEグルメのえしぇ蔵による、日本文学の書評ブログ・・・もどきの読書感想文ブログです。

星新一 「ボッコちゃん」

小説には大きく分けて長編と短編がありますが、短編の中でも極端に短いものはショートショートと呼ばれます。明確な規定はありませんが、長くてもだいたい原稿用紙で20枚にも満たないような長さのものです。もともとショートショートはアメリカで始まった小説の一形態ですが、それを日本に紹介したのは推理作家の都筑道夫と言われています。そして日本において文学の一つの形として確立させたのは星新一です。生涯でショートショートを1000編以上書いたそうですからその熱の入れようがわかると思います。名作を一つでも残すのは大変な偉業ですが、新しいジャンルを確立させるというのはもっとすごい偉業です。いわば前人未到の荒地に飛び込んで勇猛果敢に切り開き、後に続く人のために道を作るようなものですからその苦労たるや測り知れないものがあります。後世に生きる我々は大いに敬意を表し感謝すべきところです。いつもなら作家の作品を一つ取り上げて紹介していますが、今回はとりあえず作品名として「ボッコちゃん」を上げてはいるものの、お勧めしたいのは星新一のショートショート全てです。SFをメインに様々なジャンルのものがあり、全体的に非常に質が高いです。いつの時代においても古さを感じさせないように書かれており、固有名詞も使わず漠然とした表現を使うことで具体的なものを何も想起させずに読者を楽しませる工夫がなされています。そのために海外でも人気が高く世界中で愛読されています。一つ、二つ読めば読者に対して純粋な夢を描かせる配慮がなされていることはすぐにわかります。時代も場所も年齢も立場も宗教もイデオロギーも超えたところにある、絶対的なエンターテイメント作品と言えるのではないでしょうか。日本が誇るべき作家の偉大な功績を是非お楽しみ下さい。

テーマ:感想 - ジャンル:小説・文学

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